許認可(風俗営業関連)

【コンカフェ開業】4つの資金調達方法と資金の内訳について解説

2025年10月24日

「コンカフェを開きたいけど、どれくらい資金が必要で、どうやって集めればいいのかわからない…」
そんな不安を感じていませんか?

初めての開業では、設備費や内装費、人件費など、思った以上に費用がかかるもの。
しかし安心してください。この記事を読めば、コンカフェ開業に必要な資金の目安や内訳、そして現実的な資金調達の方法がすべてわかります。

補助金や融資、自己資金の上手な組み合わせ方を理解することで、無理のないスタートを切ることが可能です。
現役の行政書士が、初心者にもわかりやすくポイントを解説します。

記事の後半では、低コストで開業するための方法についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。あなたの夢のコンカフェ開業を、現実に近づける第一歩を踏み出しましょう。

コンカフェ開業にはどれくらいの資金が必要?総額の目安を解説

コンカフェを開業したいと思っても、「実際にいくらかかるのか分からない」と不安に感じる人は多いでしょう。
コンセプトカフェは他の飲食業に比べると比較的少ない資金で始められますが、最低限必要な費用の目安や内訳を理解しておくことが大切です。

この章では、コンカフェ開業に必要な資金の全体像と、費用が変動する理由をわかりやすく解説します。開業資金を正しく把握することで、無理のない資金計画を立てられるようになります。

コンカフェは比較的低資金で開業できる

コンカフェは他の飲食業態に比べて初期費用を抑えやすいビジネスです。
料理やドリンクの提供よりも「接客や世界観」が重視されるため、厨房設備や高額な調理機器が不要となるからです。

内装も大掛かりな工事をせずにコンセプトを演出できるケースが多く、テナント選び次第でコストを削減できます。

コンセプトと雰囲気作りを工夫すれば、低資金でも十分に魅力的なコンカフェを開業することが可能です。

最低限の開業資金の目安は「300万円前後」

一般的なコンカフェを開業するには、最低でも300万円前後の資金が必要です。
この金額には、物件取得費、内装費、設備・備品、制服や宣伝費などが含まれます。

もちろん、店舗の立地やコンセプトによって上下しますが、300万円は「必要最低限のライン」と考えておくと安心です。

さらに、開業後すぐに黒字化するケースは少ないため、運転資金を数か月分確保しておくことも重要なポイントです。

資金額はコンセプトや店舗規模によって大きく変わる

コンカフェに必要な資金は、コンセプトや店舗の規模によって大きく変動します。
たとえば、10席程度の小規模カフェであれば300万円ほどで始められますが、内装にこだわった大型店舗では500万〜800万円かかることもあります。

また、コスチュームのデザイン性や装飾のクオリティを上げるほど費用も増加します。
大切なのは、「理想」と「現実」のバランスを見極めて、資金に合った開業計画を立てることです。

コンカフェ開業の資金を調達する4つの方法

「開業したいけれど資金が足りない」――そんな悩みを抱える人は多いものです。
しかし、コンカフェの資金調達にはいくつかの方法があり、工夫次第で夢の実現は十分可能です。

ここでは、主な4つの資金調達手段「自己資金」「家族・友人からの借入」「公的融資」「クラウドファンディング」について、それぞれの特徴と注意点を具体的に解説します。

  • 自己資金
  • 家族や友人からの借入
  • 金融機関の融資
  • クラウドファンディング

自己資金での開業

自己資金で開業する最大のメリットは、借金を背負わずにスタートできることです。
返済義務がないため、開業後の資金繰りに余裕が生まれ、精神的にも安定します。

一方で、貯蓄だけでは必要資金を満たせないケースも多く、開業準備に時間がかかるデメリットもあります。ただし、金融機関からの融資を受ける際には「自己資金をどれだけ用意しているか」を審査される場合もあるため、できるだけ多くの自己資金を準備できた方がよいでしょう。

自己資金は単なる貯蓄ではなく、事業を支える基盤であり、信用力を高める重要な要素です。

家族・友人からの借入

家族や友人から資金を借りる方法は、審査がなく柔軟に対応できる点が魅力です。
しかし、お金のやり取りは人間関係に影響を与えるため、慎重に進める必要があります。

口約束ではなく、借入金額・返済日・返済方法を明記した「借用書」を作成し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
返済が遅れる場合も、早めに状況を説明し誠実な対応を心がけましょう。

信頼を失わないためには、「ビジネスとしての責任感」を持つことが何より重要です。

日本政策金融公庫・金融機関の融資制度

公的融資や銀行からの融資は、まとまった開業資金を確実に確保できる方法です。
特に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、無担保・無保証で利用できる場合があり、初めての開業者にも人気があります。

融資を受ける際は、審査で「事業計画書」の内容が重視されます。
店舗のコンセプト、ターゲット層、収支見込みなどを具体的に示すことで、信用を得やすくなります。

返済の負担はあるものの、信用力を築くチャンスにもなり、今後の事業拡大につながります。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、共感を得ながら資金を集められる現代的な方法です。
「開業前からファンを作りたい」「独自の世界観を発信したい」という人にぴったりです。

プロジェクトページで想いを伝え、支援者にリターン(限定グッズや招待券など)を設定すると、応援を得やすくなります。
SNSを活用すれば、宣伝効果と資金調達を同時に実現できます。

ただし、発信力や準備が求められるため、計画的なスケジュール管理が成功の鍵となります。
ファンとともにお店をつくる楽しさを感じられるのが、クラウドファンディングの最大の魅力です。

コンカフェ開業に必要な初期費用の内訳

コンカフェを開業するには、まず「初期費用」がどれほど必要なのかを明確にしておくことが大切です。
開業後の資金繰りを安定させるためにも、どんな費用が発生するのかを具体的に把握しておきましょう。

初期費用は大きく分けて6つあります。
「物件取得費」「内装・リフォーム費」「設備・備品費」「許可取得・申請費」「制服・小道具費」「広告・宣伝費」です。
以下で、それぞれの項目を詳しく解説します。

費用項目資金の目安
物件取得費50~300万円
内装・リフォーム費100~500万円
設備・備品費30~100万円
許可取得・申請費用5~30万円
制服・小道具費10~50万円
広告・宣伝費30~100万円
合計225~1080万円

物件取得費

コンカフェの立地選びは集客に直結するため、物件取得費は重要な初期投資の一つです。
保証金・敷金・仲介手数料などを含めると、一般的に50万〜300万円ほどかかります。

特に駅近や繁華街のテナントは家賃が高めですが、人通りが多く集客効果も期待できます。
一方で、家賃が安い郊外を選ぶとコストは抑えられますが、宣伝の工夫が必要です。

開業初期の資金を抑えるなら、「居抜き物件」を活用するのがおすすめです。
前店舗の設備をそのまま使えるため、初期費用を大幅に節約できます。

内装・リフォーム費

コンカフェの世界観を作る上で欠かせないのが内装工事です。
内装費は店舗の広さやテーマによって変動しますが、100万〜500万円が目安です。

特に「非日常感」を演出する店舗ほど、装飾や照明、壁紙などに費用がかかります。
一方で、DIYや中古素材をうまく使えばコストを抑えることも可能です。

重要なのは、見た目のデザインだけでなく「動線設計」や「安全性」にも配慮することです。
お客様が快適に過ごせる空間づくりが、リピーター獲得につながります。

設備・備品費

カフェ運営に必要な設備や備品の費用は、30万〜100万円ほどです。
具体的には、冷蔵庫・製氷機・レジ・グラス・テーブル・椅子などが該当します。

新しく購入すると高額になりやすいですが、中古品やリースを利用すればコストを半減できます。
また、最初からすべて揃えるのではなく、営業を始めてから必要に応じて追加購入するのも一つの方法です。

過剰な設備投資は資金を圧迫するため、「必要最低限で始める」が成功のポイントです。

関連記事

許可取得・申請費用

コンカフェを営業するには、飲食店営業許可や深夜営業の届出など、複数の手続きが必要です。
その際に必要となる費用は、行政書士への依頼料を含めて5万〜30万円程度です。

特に、深夜にお酒を提供する場合は「深夜酒類提供飲食店営業届出」を提出しなければなりません。
無許可営業を行うと罰金や営業停止のリスクがあるため、法令遵守は最優先です。

手続きは複雑に見えますが、専門家に相談すればスムーズに進められます。

関連記事

制服・小道具などのコンセプト用品費

コンカフェの魅力を左右するのが、店員の制服や店内の小道具です。
コンセプトに合わせた衣装や装飾品の準備には、10万〜50万円ほどかかります。

特にオリジナルデザインの制服を制作する場合は、単価が上がりやすいため注意が必要です。
一方で、市販品や既製品を上手に組み合わせれば費用を抑えることができます。

制服や小道具はお店の「世界観」を伝える大切な要素です。
コストを意識しつつ、ブランドイメージを確立する工夫をしましょう。

広告・宣伝費

オープン初期の集客を成功させるには、宣伝活動への投資も欠かせません。
チラシ制作や看板設置、Web広告などに30万〜100万円ほどが必要です。

しかし、費用を抑えたい場合は、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用するのがおすすめです。
無料で効果的にファンを増やせるだけでなく、開店前から話題をつくることも可能です。

宣伝費は「お店の知名度を上げるための投資」として考え、戦略的に使うことが成功への近道です。

開業後に必要な運転資金の内訳

コンカフェは開業して終わりではなく、営業を続けるために毎月の運転資金が欠かせません。
家賃や人件費、ドリンクの仕入れ、光熱費など、継続的に発生する支出をしっかり把握しておくことが重要です。

これらの費用を見落とすと、せっかくオープンしても数か月で資金が尽きてしまうケースもあります。
ここでは、運営を安定させるために必要な主な経費とその目安を具体的に解説します。

費用項目資金の目安
家賃・テナント費20~80万円
人件費30~100万円
仕入れ・消耗品費10~30万円
光熱費5~20万円
広告・宣伝費10~30万円
その他の予備費5~15万円
合計80~275万円

家賃・テナント費

運営コストの中でも大きな割合を占めるのが家賃です。
コンカフェの場合、立地や広さ、設備状況によって家賃は大きく異なります。

特に人通りの多い繁華街や駅近のテナントは集客に有利ですが、その分家賃も高額になります。
逆に、家賃を抑えた場所では固定費が軽くなる一方、集客の工夫が必要です。

無理のない家賃設定にするためには、想定売上や固定費のバランスを見極めることが大切です。

スタッフの人件費

スタッフの人件費は、営業規模や営業時間によって大きく変動します。
可愛い制服で接客するスタッフが多いほど、店舗の雰囲気や回転率が向上しますが、その分人件費も上がります。

無理にスタッフを増やしすぎると利益を圧迫するため、開業初期は少人数から始め、安定後に人員を増やすのが安全です。
また、給与体系やシフト管理を明確にしておくことで、トラブル防止にもつながります。

仕入れ・ドリンク・消耗品費

コンカフェではドリンクや軽食の提供が中心となるため、仕入れ費用は毎月欠かせません。
また、ストローや紙ナプキンなどの消耗品も積み重なると意外に負担になります。

コストを抑えるポイントは、在庫管理と仕入れルートの最適化です。
過剰な仕入れを避け、人気メニューを中心に効率的な発注を行いましょう。

原価率を把握して価格設定を行えば、安定した利益確保にもつながります。

光熱費

電気・水道・ガスなどの光熱費も無視できません。
特に照明や空調を多用するコンカフェでは、季節によって光熱費が変動します。

夏場や冬場は冷暖房費が高くなりがちなので、月ごとの変動を見越した資金計画が必要です。
LED照明の導入や節電の工夫を行うことで、コストを抑えつつ快適な空間を維持できます。

広告・SNS運用費

コンカフェはSNSでの発信が集客に直結します。
そのため、広告費やSNS運用費も運転資金として計上しておきましょう。

写真撮影、デザイン制作、キャンペーン投稿などには一定のコストがかかります。
定期的なSNS更新を外部に委託する場合もあるため、月額費用を見込むのが現実的です。

集客効果を分析しながら、費用対効果の高い広告運用を目指しましょう。

その他予備費・トラブル対応費

営業を続ける中で、想定外の出費が発生することは少なくありません。
機器の故障、在庫切れ、体調不良による人員不足など、トラブルは突然やってきます。

こうしたリスクに備えるために、毎月一定額の予備費を確保しておくことが重要です。
余裕をもった資金管理をすることで、急な出費にも慌てず対応でき、経営を安定させられます。

低コストでコンカフェを開業するための工夫

「コンカフェを開きたいけど、費用が心配…」という人も多いでしょう。
しかし、工夫次第で開業コストを大きく抑えることが可能です。

居ぬき物件を活用したり、中古備品を上手に選んだりするだけでも初期費用を数十万円単位で削減できます。また、SNSや口コミを使えば、広告費をかけずに集客を行うことも可能です。

ここでは、予算を抑えつつも魅力的な店舗を実現するための具体的な方法を紹介します。

居ぬき物件を選ぶことで初期費用を大幅削減

開業資金を抑えたいなら、まず検討すべきは「居ぬき物件」の活用です。
前店舗の内装や設備をそのまま引き継げるため、リフォーム費用を大幅に節約できます。

特にバーやカフェの跡地は、コンカフェと相性が良く、改装の手間も少なく済む傾向があります。
ただし、設備の状態や契約条件をしっかり確認しておくことが大切です。
必要最低限の修繕で済む物件を選べば、初期費用をぐっと抑えられます。

設備・備品は中古やリースを活用

新しい設備をそろえると費用がかさむため、中古品やリースを活用するのも効果的です。
冷蔵庫や製氷機、テーブル、椅子などは中古市場に多く出回っており、状態の良いものを安く手に入れられます。

リース契約なら、初期投資を抑えつつ最新機器を使えるメリットもあります。
さらに、月々の支払いに分散できるため、開業後の資金繰りも安定しやすくなります。
コスト削減と品質維持を両立させるには、中古・リースの賢い選択がカギです。

宣伝はSNS・口コミ・イベントで無料集客

広告費をかけずに集客するなら、SNSや口コミを最大限活用しましょう。
X(旧Twitter)やInstagramでスタッフの写真やイベント情報を発信すれば、無料で多くの人にアプローチできます。

また、オープン記念イベントやコラボ企画を実施することで、自然な拡散効果が期待できます。
来店客にSNS投稿を促す仕組みを作れば、さらに集客効率が上がります。
お金をかけずに話題を生むには、ファンとつながる発信力が重要です。

資金計画と許可申請の注意点

コンカフェ開業を成功させるには、「資金計画」と「許可申請」の2つを正しく行うことが不可欠です。
どちらも疎かにすると、資金が足りなくなったり、法律違反で営業できなくなったりするリスクがあります。

開業前にしっかりとした資金計画を立て、必要な許可を取得しておくことで、トラブルを未然に防げます。
ここでは、資金計画の立て方と法的な注意点をわかりやすく解説します。

資金計画は「初期費用+運転資金」で立てる

コンカフェの資金計画では、「初期費用」だけでなく「運転資金」も含めて考えることが重要です。
なぜなら、開業してすぐに利益が出るとは限らず、数か月間は赤字が続く可能性があるからです。

内装費や備品代だけでなく、家賃・人件費・仕入れ費なども含めて計算しましょう。
最低でも6か月分の運転資金を確保しておけば、資金ショートを防ぎ、安定した経営を続けやすくなります。

計画的な資金管理こそが、長く愛される店舗づくりの第一歩です。

無許可営業は罰金・営業停止・懲役のリスクあり

コンカフェを開業する際に最も注意すべきなのが「無許可営業」です。
特に深夜営業や接待行為を行う店舗は、風俗営業等の許可が必要になります。

許可を取らずに営業を始めると、罰金だけでなく、営業停止や懲役刑に処されるケースもあります。
「知らなかった」では済まされないのがこの分野の特徴です。

開業前に必ず、どの許可が必要かを専門家や警察署に確認しておくようにしましょう。

2025年風俗営業法改正による罰則の内容

無許可営業に対する罰則
・2年以下の拘禁刑 ⇒ 5年以下の拘禁刑
・200万円以下の罰金 ⇒ 1,000万円以下の罰金
・200万円以下の罰金 ⇒ 3億円以下の罰金 (法人への罰則)

関連記事

風俗営業・深夜酒類提供の許可を確認しておこう

コンカフェの営業内容によっては、「風俗営業許可」や「深夜酒類提供飲食店営業届出」が必要になる場合があります。
たとえば、深夜0時以降もお酒を提供したり、接客を伴うサービスを行ったりする場合は対象です。

これらの許可を取らずに営業すると、行政処分や罰則の対象となる恐れがあります。
店舗の営業形態を明確にし、必要な許可を早めに取得することで、安全かつ合法的に運営できます。

リスクを避けるためにも、開業前の段階で必ず確認しておきましょう。

関連記事

まとめ|資金計画を立てて無理なく夢のコンカフェを開業しよう

コンカフェ開業には、最低でも300万円ほどの資金が必要になります。
内訳は、物件取得費や内装費、設備費などの初期費用に加え、家賃や人件費といった運転資金も欠かせません。

資金調達には「自己資金・家族・金融機関・クラウドファンディング」の4つを組み合わせるのが現実的です。また、居ぬき物件の活用や中古設備の利用、SNSを活かした無料集客などを取り入れることで、初期費用を抑えることができます。

無理のない資金計画を立てれば、夢のコンカフェを安心してスタートできるでしょう。

なお、風俗営業や深夜酒類提供の許可が必要な場合もあるため、開業前には必ず確認を。
不安な場合は、行政書士に相談すれば、資金計画や許可申請のサポートを受けながら、安全で確実な開業準備を進められます。

-許認可(風俗営業関連)