「許可を取らずに営業しているけれど…このままで大丈夫なのだろうか？」と、不安を抱えていませんか。
許可営業が重い罰則につながると聞いて、心配になっている方も多いはずです。
でもご安心ください。この記事を読めば、風営法に違反した場合にどんな罰則が科されるのかを、専門知識がなくても理解できるようになります。
さらに、自分の店がどのリスクに当てはまるのかも整理でき、今後どう動けば安全なのかが明確になります。
本記事では、典型的な摘発事例から実際の罰則内容、そして経営者が取るべき対策までを、法律の知識がない方でも読みやすいように構成しています。
あなたの営業を「安心できる状態」に近づけるための第一歩として、ぜひ読み進めてみてください。
風営法に違反するとどうなる？
風営法に違反した場合、もっとも重い処分が下されるのが「無許可営業」です。
2025年の改正によって罰則はさらに強化され、これまで以上に厳しく取り締まられるようになりました。
特にスナックなどの接待行為を伴う店舗は、許可の有無が経営の安全性を大きく左右します。
以下では、無許可営業の罰則の重さや、初回摘発・再犯時のリスクについて、具体的にわかりやすく解説していきます。
無許可営業は「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金」
無許可で風俗営業を行った場合、最大で「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金」という極めて重い罰則が科されます。
これは2025年の改正で特に厳しく見直されたポイントで、悪質と判断されれば両方が併科される可能性もあります。
「少しくらい大丈夫」と考えて営業を続けるのは非常に危険です。
罰則を受けると店舗の信用を失い、再開が難しくなるケースも少なくありません。
2025年風俗営業法改正による罰則の内容
無許可営業に対する罰則
・2年以下の拘禁刑 ⇒ 5年以下の拘禁刑
・200万円以下の罰金 ⇒ 1,000万円以下の罰金
・200万円以下の罰金 ⇒ 3億円以下の罰金 （法人への罰則）
初回の摘発でも営業停止につながる可能性
初めて摘発された場合でも、行政処分として営業停止を命じられることがあります。
とくに無許可営業は重大な違反とされ、状況によっては即日営業を止められるケースもあります。
営業停止になると、数日でも大きな売上損失につながり、常連客の離脱も避けられません。
「はじめてだから軽い処分で済む」という期待は持たない方が賢明です。
2025年の風営法改正で何が変わった？押さえるべき4つのポイント
2025年の風営法改正では、罰則が強化されたほか、接待行為に関するルールや、性風俗店で横行していたスカウトバックの禁止など、実務に大きく影響する見直しが行われました。
とくにスナックやコンカフェなどの接待飲食店は、日常の営業内容が法令に抵触しやすいため、改正点を正しく理解しておく必要があります。
ここでは、重要な4つの変更点を順番にわかりやすく解説します。
接待飲食営業における「遵守事項・禁止行為」がさらに追加
今回の改正で、接客時の過度な身体接触や、客に対する過度な要求行為などが新たに禁止行為として明確化されました。
接待の範囲がより細かく定義され、店舗側が知らないうちに違反していたというケースを防ぐ狙いがあります。
具体的には、従業員が客の隣に座って接客する行為や、個人的な連絡先交換など、グレーだった行為が明確にNGとされています。
ルールが細分化されたため、従業員教育と店内マニュアルの整備が以前より重要になりました。
性風俗店における「スカウトバック（リベート）」の禁止
性風俗店では、従業員をスカウトする際に紹介料やバックを支払う仕組みが広く行われていました。
しかし改正により、これらの金銭授受が禁止され、スカウト行為の透明性が求められるようになっています。
違法スカウトや反社会的勢力の関与を排除する目的です。
これにより業界全体の健全化が進む一方、店側は従業員確保の方法を見直す必要があります。
無許可営業・違反行為に対する罰則が大幅に強化
改正後は、無許可で風俗営業を行った場合の罰則が大幅に引き上げられ、より厳しい処分が下されるようになりました。
悪質と判断されれば、懲役と罰金の両方が科されるケースも増える見込みです。
また、営業時間違反や未成年者の関与などの 軽微と思われがちな違反 についても、処分が重たくなりました。
店舗経営者は、日常的なチェック体制を整え、違反を未然に防ぐことが求められます。
風俗営業から「不適格者」の排除が明文化
これまで曖昧だった「不適格者」に該当する基準が明確になり、反社会的勢力との関係者や、過去に重大な違法行為を行った者が、風俗営業に関われない仕組みになりました。
許可申請時や更新時の審査もより慎重に行われるようになります。
そのため、名義貸しや実質支配者が別にいるケースは、従来以上に厳しくチェックされるでしょう。
発覚すれば許可取り消しだけでなく、今後の再取得も難しくなるため、適正な運営体制の構築が必須となっています。
風営法の主な罰則一覧｜知らなかったでは済まされないポイント
風営法の違反には、無許可営業のような重いものから、営業時間の逸脱や書類不備といった日常的に起こりやすいものまで幅広く存在します。
しかも一つひとつの違反が、営業停止や罰金、許可取り消しといった重大な処分につながりかねません。
ここでは、経営者が特に注意すべき代表的な違反と、その罰則内容について整理します。
「知らなかった」では済まされないポイントばかりなので、必ず確認しておきましょう。
無許可営業
風俗営業許可を取得せずに営業している場合、最も重い罰則の対象となります。
無許可営業は、故意かどうかに関わらず重大違反とされ、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性があります。
さらに、警察からの指導や摘発を受けると、即日営業停止となることも珍しくありません。
経営に与えるダメージは非常に大きいため、早急に許可取得へ動く必要があります。
営業時間違反
風俗営業は、取得する許可の種類によって営業可能な時間帯が異なります。
「風俗営業1号の許可であれば深夜24時まで」、「深夜酒類提供飲食店営業届であれば24時以降もOK」などです。
また、条例などの地域ごとに定められた営業時間を厳守する必要もあるため注意が必要です。
たとえ数十分の延長であっても、深夜営業に該当すれば違反として扱われ、罰金・営業停止処分の対象になる可能性があります。
また、営業時間は自治体によって異なるため、他地域の情報を参考にしていると誤った運営につながります。
確実に確認し、従業員にも共有しておく体制が重要です。
未成年者に関する違反（従業員・客どちらもNG）
未成年者を従業員として働かせることはもちろん、客として入店させることも厳しく禁止されています。
年齢確認を怠った場合でも違反と見なされ、営業停止や罰金といった重い処分が科される可能性があります。
とくに未成年飲酒・喫煙が伴う店舗では、警察のチェックが強化されているため注意が必要です。
入店時の身分証確認の徹底が、リスク回避への近道となります。
客引き行為の禁止違反
店舗周辺での客引き行為は、風営法だけでなく各自治体の条例でも禁止されています。
声掛けだけでなく、軽い案内行為でも違反に該当する可能性があるため、非常にリスクの高い行為といえるでしょう。
摘発されると、罰金のほか営業停止処分が下されることもあり、店舗の信用低下につながります。
従業員への注意喚起やルールの徹底が不可欠です。
書類未整備・名義貸し・不適格者の関与
営業許可証の掲示義務や従業員名簿の整備など、日常的な書類管理を怠ると違反扱いとなります。
また、実際に運営している人物と許可名義人が異なる「名義貸し」や、不適格者の関与も厳しく取り締まられます。
これらは軽い違反と思われがちですが、悪質と判断されれば許可取り消しにつながる重大項目です。
日常の管理体制を見直し、書類の更新漏れを防ぐ仕組みづくりが必要です。
罰則を受けるとどうなる？「営業停止」「許可取り消し」「再取得できない」
風営法違反による処分は、単なる罰金だけでは終わりません。
営業停止や許可取り消しといった、店の継続そのものを脅かす重大な措置が取られることがあります。
さらに、一度許可を失うと再取得が難しくなり、実質的に廃業に追い込まれるケースも見られます。
違反を未然に防ぐ体制と、日々のチェックが経営を守る最も確実な方法です。
風営法違反の典型的な摘発ケース｜知らずにやってしまいがちな事例
風営法違反は「悪意がなくても」成立し、思わぬところで摘発されるケースが多くあります。
とくにスナックや小規模店舗では「これくらいなら大丈夫だろう」という思い込みが大きなリスクにつながりかねません。
ここでは、実際に摘発につながりやすい典型的な事例を取り上げ、どこに注意すべきかをわかりやすく紹介します。
日々の運営で“知らずにやってしまいがちな”ポイントを必ず押さえておいてください。
「うちはスナックだから大丈夫」と無許可で営業
「普通のスナックだから許可はいらない」と誤解し、無許可営業を続けて摘発されるケースは少なくありません。
実際には、女性スタッフが隣に座る・会話を盛り上げるなどの接待行為があれば風俗営業に該当します。
この認識のズレが最も大きな違反の原因となり、摘発されれば重い罰則が科されます。
許可の要否を自己判断せず、基準を正しく理解することが重要です。
常連客の頼みで深夜まで営業を続けた結果…
「今日は常連さんだけだから」「あと少しだけ」という油断から、営業時間を超えて営業を続けてしまうケースがあります。
しかし、たとえ1時間の延長でも深夜営業に該当すれば違反となり、罰金や営業停止につながる可能性があります。
警察の調査はいつ、どこでおこなわれているか分からないからです。
とくに繁忙期や団体客が入った日ほど注意が必要です。
どんな状況でも営業時間は絶対に守る意識が求められます。
新人スタッフが知らずに客の隣に座って接待行為
新人スタッフが仕組みを理解しておらず、無意識に接待行為をしてしまうケースもよく見られます。
「隣に座る」「お酌をする」「密接に会話する」といった行動は、従業員本人の意図に関係なく接待行為と判断されてしまいかねません。
結果として、店全体の違反として扱われ、責任は経営者に及びます。
教育不足が原因と見なされるため、事前の研修やルール共有が不可欠です。
繁華街でのビラ配り・声かけで摘発
店の宣伝目的でビラ配りをしたり、通行人に声をかけたりすると、客引き行為として摘発されることがあります。
「案内しただけ」「軽く声をかけただけ」でも違反に該当するため、非常にリスクの高い行為です。
自治体ごとの条例でも厳しく規制されているため、繁華街での集客行為は特に注意が必要です。
スタッフには絶対にさせない体制を整えましょう。
マニュアル不備で「従業員の違反行為」が店の責任に
従業員が違反行為をした場合、その責任は最終的に経営者が負うことになります。
「指示していないから関係ない」という主張は通らず、教育不足や管理体制の不備と判断されることが多いからです。
とくに、接待の基準や禁止行為が曖昧だと、従業員が誤った判断をしてしまうリスクが高まります。
マニュアル整備と定期的な説明が、違反を防ぐ最も効果的な方法です。
風営法の罰則を避けるために守るべき6つの対策
風営法の違反は「知らなかった」では済まされず、営業停止や高額罰金につながるケースも少なくありません。
しかし、ポイントを押さえて対策すれば、トラブルは事前に防げます。
ここでは特に重要な6つの対策をまとめました。
いずれも今日から取り組める内容ばかりなので、店舗の安全運営のためにしっかり確認してください。
【最優先】適切な許可を必ず取得する
風営法のトラブルを最も確実に回避する方法は、必要な許可をきちんと取得することです。
許可をとっていれば、万一の指摘があっても堂々と対応できます。
許可取得には図面や書類の作成など手間がありますが、専門家に依頼することでスムーズに進められます。
「あとで取ればいい」という考えは危険なので、開業前の段階で必ず準備しておきましょう。
営業時間を厳守する
風営法では業種ごとに営業時間が決められており、これを守らないとすぐに違反となります。
営業時間が曖昧だと、意図せず違反してしまうケースも多いです。
そのため、開店・閉店時間をスタッフ全員で共有し、シフト表や日報などで記録を残す仕組みを整えましょう。
証拠が残る形にしておくことで、万が一のトラブル時にも店舗を守ることができます。
未成年者との関わりをゼロにする仕組みづくり
未成年の立ち入り・就労は重い違反の一つです。
一度発覚すれば、営業停止や廃業レベルの厳しい処分を受ける可能性があります。
そのため、入店時の年齢確認を徹底し、身分証のチェック方法をスタッフ全員に統一しましょう。
アルバイト採用の際も同じく、生年月日を必ず確認し、未成年が紛れ込まない仕組みを作ることが大切です。
客引きを一切しない（広告宣伝は合法範囲で）
路上での客引き行為は風営法や各自治体条例で禁止されています。
「少し声をかけただけ」のつもりでも、取り締まりの対象になることがあります。
そのため、SNS・自社サイト・看板など合法的な広告だけに絞り、スタッフには「客引き絶対禁止」を徹底しましょう。
安全な集客方法を選ぶことで、余計なトラブルを確実に避けられます。
店内ルール・マニュアルの整備でトラブルを防止
ルールが曖昧なままだと、スタッフによって対応がバラバラになり、知らないうちに違反行為が起こることがあります。
こうしたトラブルを防ぐには、明確な店内ルールや接客マニュアルの整備が欠かせません。
禁止事項・注意点・接客方針を文書化し、全員が同じ基準で行動できるようにしましょう。
ルールがあるだけでなく、定期的に見直すことでより安全な運営が実現できます。
従業員教育を徹底し、違反行為を未然に防ぐ
風営法違反の多くは、スタッフのうっかりや知識不足から発生します。
本人に悪気がなくても、店が処分される点は変わりません。
そのため、風営法の基礎知識や禁止事項について定期的に教育し、疑問点をそのままにしない体制を作ります。
スタッフ全員の理解度が上がることで、違反の芽を早い段階でつぶすことができます。
風営法に違反すると年収にも影響する？経営者の収入へのダメージ
営法違反は、罰金や営業停止といった行政処分だけでなく、経営者自身の年収にも直結します。
一度でも処分を受けると、売上の減少だけでなく、信用の低下によって再起が難しくなるケースも少なくありません。
ここでは、違反による収入面のダメージと、適法に運営することがなぜ年収の安定につながるのかをわかりやすく整理して解説します。
罰金・営業停止で月商がゼロになるリスク
風営法に違反すると罰金に加え、最も痛手となるのが「営業停止処分」です。
営業が止まると当然、数日〜数週間の期間は売上がゼロになります。
普段の月商が大きいお店ほど、停止期間の損失は莫大です。
さらに、常連客が離れてしまい、再開後も元の売上に戻りにくくなる点が経営者にとって最大のリスクと言えます。
摘発歴がつくと再起が難しくなる理由
一度摘発されると「問題のある店」という評価が広がり、集客や採用にも悪影響が出ます。
特にスナックなど地域密着型の業態では、口コミが致命傷になりやすいです。
また、再度許可申請が必要になった場合でも、過去の違反歴があると審査が厳しくなる傾向があります。
結果的に再スタートのハードルが高くなり、収入の長期的な落ち込みにつながってしまいます。
適法営業に切り替えた方が年収は安定する理由
適法営業を徹底すれば、突然の営業停止リスクがなくなり、売上が安定します。
また、行政手続きが整っている店舗は信用も得やすく、客層の幅も広がりやすいです。
長期的に見れば、ルールを守ることが経営者の収入を最も守る選択になります。
安定した土台があることで、イベントやサービス向上に投資でき、さらに年収アップを狙いやすくなります。
まとめ｜罰則を避ける最善策は「早期の許可取得」と「6つの遵守」
風営法の罰則は、営業停止や罰金だけでなく、経営者の収入や店舗の信用にも大きな影響を与えます。
だからこそ、最も重要なのは「早めに適切な許可を取得し、日々の営業でルールを守ること」です。
本記事で解説したように、無許可営業・深夜営業・未成年者対応・客引き・書類不備・従業員教育不足などは、どれも知らずにやってしまいがちな違反です。
しかし、これらを防ぐ6つの対策を実践すれば、営業停止リスクを大幅に下げ、安定した経営につながります。
とはいえ、自分で法律を調べながら進めるのは負担が大きく、判断を誤ると取り返しのつかない結果を招くこともあります。
トラブルを未然に防ぎたい方は、風営法に詳しい行政書士に相談することで、スムーズで安全な開業が可能になります。
「安心して長く経営を続けたい」と考えているなら、早期の許可取得と専門家へのサポート活用が最善の一歩です。
当事務所はどんなご相談でも丁寧にお話をおうかがいします。
初回無料となっておりますので、ささいなご相談でもお気軽にお問い合わせください。
