許認可(風俗営業関連)

【コンカフェ開業】保健所で営業許可を取得するまでの6つの手続き手順をご紹介

2025年10月28日

「コンカフェを開きたいけれど、保健所でどんな手続きが必要なのか全然わからない…」と悩んでいませんか?

実は、保健所の手続きを正しく理解しておけば、スムーズに営業許可を取得し、理想のコンカフェをオープンできます。この記事では、開業初心者でも迷わないように、保健所への申請から営業許可証の受け取りまでを6ステップでわかりやすく解説します。

現役の行政書士が、つまずきやすいポイントや注意点も交えて丁寧に紹介。この記事を読めば、「保健所の手続きって難しそう」という不安が「自信をもって開業準備が進められる!」という安心に変わるはずです。

コンカフェ開業には保健所での許可が必須

コンカフェを開業するには、まず「保健所での営業許可」を取得することが欠かせません。
メイド喫茶やテーマカフェといったコンセプトカフェも、飲食を提供する以上は一般的な飲食店と同じ扱いになります。

ここでは、なぜコンカフェが「飲食店営業」に分類されるのか、営業許可がなければ営業できない理由、そして無許可で営業した場合のリスクについて、わかりやすく解説します。

コンカフェは「飲食店営業」に該当する

コンカフェは「飲食店営業」として保健所の許可が必要です。
写真撮影などのサービス提供がメインの商品であっても、飲食物をお客様に提供する業態だからです。保健所は、提供する料理や飲み物が衛生的に安全かを確認する役割を持っています。

たとえメイド喫茶やアニメカフェのような特殊なコンセプトであっても、飲食を扱う限りは通常のカフェや居酒屋と同様に、食品衛生法に基づく「飲食店営業許可」が必要になります。

「飲食がメインではないから大丈夫」と誤解されがちですが、ドリンク一杯でも提供するなら対象です。

保健所の営業許可なしでは営業できない理由

保健所の営業許可が必要な理由は、衛生管理を通じてお客様の健康を守るためです。
もし無許可のまま営業すれば、店内の衛生状態が適切でない可能性があり、食中毒などのリスクが高まります。

許可を得る際には、厨房設備や手洗い場の位置、水回りの構造、換気など、細かな基準を保健所がチェックします。
これらをクリアしてはじめて「安全に飲食物を提供できる店」として認められるのです。

つまり、営業許可は「お客様に安心して来店してもらうための信頼の証」と言えます。

無許可営業のリスクと罰則(営業停止・罰金・信用失墜)

保健所の許可を得ずに営業すると、最悪の場合「営業停止」や「罰金刑」などの処分を受けるおそれがあります。
具体的には、食品衛生法違反として2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、行政からの指導や店舗名の公表によって、地域での信用を失うリスクも高まります。
一度失った信頼を取り戻すのは容易ではありません。

「知らなかった」では済まされないのが保健所の許可です。
安心して営業を続けるためにも、開業前に必ず許可を取得しておきましょう。

保健所でおこなう「飲食店営業許可申請」の全体の流れ

コンカフェをオープンするためには、保健所で「飲食店営業許可」を取得する必要があります。
しかし、初めて開業する人にとって、具体的な流れが分かりづらいのが現実です。

ここでは、申請から許可取得までの6つのステップと、手続きにかかる期間、保健所へ相談する最適なタイミングを解説します。
開業スケジュールをスムーズに進めるための全体像をつかみましょう。

申請から営業許可までの6ステップ概要

コンカフェの営業許可申請は、次の6つのステップで進みます。
①保健所への事前相談 → ②食品衛生責任者の資格取得 → ③申請書類の準備 → ④申請書の提出 → ⑤店舗検査 → ⑥営業許可証の交付、という流れです。

この手順を踏むことで、店舗が衛生基準を満たしているかを確認できます。
特に事前相談を省略すると、後から修正が必要になり開業が遅れることもあるため、最初の段階がとても重要です。

手続きの目安期間とスケジュール感

保健所の営業許可取得には、一般的に2週間から1か月ほどかかります。
申請後に店舗検査の日程調整や、設備の修正対応などが入るため、余裕を持ったスケジュールが大切です。

店舗工事が完了する直前に申請しても、検査で不備が見つかると再申請が必要になるケースもあります。
開業予定日から逆算して、1か月以上前には申請準備を始めるのが安心です。

どのタイミングで保健所に相談すべきか

保健所への相談は、物件を契約する前後の「できるだけ早い段階」でおこなうのが理想です。
厨房設備や手洗い場の位置など、保健所の基準を満たさない設計だと、後から工事のやり直しが発生するからです。

早い段階で図面を持参して相談すれば、問題点を事前に修正でき、申請後もスムーズに進められます。
結果として、余計なコストや時間をかけずに営業許可を取得できるでしょう。

コンカフェ開業時の保健所手続き6ステップ

コンカフェの営業許可申請は、単に書類を出すだけではなく、保健所との事前相談から店舗検査まで、複数の工程を踏む必要があります。
流れを理解しておくことで、開業準備をスムーズに進められ、手戻りを防ぐことができます。

ここでは、保健所での飲食店営業許可取得までの6つのステップを、初めての方にもわかりやすく順を追って解説します。

STEP1 保健所への事前相談をおこなう

まず最初におこなうべきは、保健所への「事前相談」です。
コンカフェを開業する物件や店舗レイアウトが、衛生基準を満たしているかを確認してもらう重要な段階です。

相談時には、店舗の図面や設備の概要を持参するとスムーズです。
この段階で保健所職員から指摘を受ければ、工事前に修正できるため、後の検査での不合格を防げます。

「工事後にやり直し」になれば余分な費用と時間がかかるため、開業スケジュールを守るためにも早めの相談がカギとなります。

STEP2 食品衛生責任者の資格を取得する

コンカフェを営業するには、店舗ごとに「食品衛生責任者」を配置する必要があります。
この資格を持つ人がいなければ、営業許可の申請は受け付けてもらえません。

食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会(1日程度)を受講すれば取得できます。
調理師や栄養士などの国家資格を持っている場合は、講習を受けずに申請できることもあります。

講習の日程は月に数回しかない地域もあるため、開業計画を立てたら早めに受講予約をしておくのが安心です。各都道府県の食品衛生協会は参考サイトからご確認ください。

また、近年ではインターネット上で受講できるeラーニング方式で資格を取得することもできます。いずれにしても、開業前に慌てるよりも事前に取得して準備を整えておいた方がよいでしょう。

STEP3 必要書類を準備する(図面・資格証・申請書など)

申請に必要な書類は、主に次のとおりです。

・営業許可申請書
・店舗の平面図・設備図
・食品衛生責任者資格証(または受講予定証明)
・水質検査成績書(井戸水を使用する場合)などです。

これらを不備なく揃えることがスムーズな申請につながります。
特に図面は、厨房・洗浄スペース・手洗い場・給排水設備の位置が明確であることが求められます。

書類の不備は申請受理の遅れにつながるため、提出前に保健所にチェックしてもらうのがおすすめです。

STEP4 保健所へ申請書を提出する

必要書類が整ったら、保健所へ「営業許可申請書」を正式に提出します。
この際、申請手数料(15,000〜20,000円前後)を支払う必要があります。

窓口で提出すると、担当者が内容を確認し、問題がなければ店舗検査の日程を調整します。
もし不備があれば受理されず、再提出を求められることもあるため注意が必要です。

申請は開業予定日の2〜3週間前までに行うのが理想です。
遅れると検査や許可証交付が間に合わず、オープン日を延期せざるを得ない場合もあります。

STEP5 保健所による店舗検査を受ける

申請後、保健所の職員が店舗に訪れ、衛生設備や内装が基準を満たしているかを確認します。
チェック項目は、厨房の清潔さ、換気、手洗い設備、照明、水回りの構造など多岐にわたります。

検査当日は、責任者が立ち会い、指摘事項があればすぐに対応方針を確認しましょう。
もし不備が見つかれば、修正後に再検査が行われます。

スムーズに合格するためには、事前相談の段階で保健所の指摘を反映し、基準を満たす設計にしておくことが重要です。

STEP6 営業許可証の交付を受ける

店舗検査に合格すると、数日から1週間ほどで「営業許可証」が交付されます。
この許可証を店内の見やすい場所に掲示することで、正式に営業を開始できます。

許可証の交付をもって初めてコンカフェの営業が可能になるため、無許可でのプレオープンなどは絶対に避けましょう。
また、許可証は更新が必要な場合もあるため、交付時に有効期限を確認しておくことが大切です。

このステップを終えれば、いよいよコンカフェ開業の準備は整います。

保健所の許可をスムーズに取るためのポイント

保健所の営業許可をスムーズに取得するためには、事前準備が何よりも重要です。
特に、店舗の内装や設備はあとから変更が難しいため、工事前に基準をしっかり確認しておく必要があります。

ここでは、コンカフェの営業許可をスムーズに通すために押さえておきたい3つのポイントを解説します。
内装設計・衛生設備・相談のタイミングを理解して、開業準備を確実に進めましょう。

内装・設備の基準を事前に確認する

営業許可をスムーズに取るための第一歩は、保健所が定める「内装・設備の基準」を把握することです。
店舗の構造が基準を満たしていないと、検査で不合格となり開業が遅れてしまうからです。

厨房と客席の区分、手洗い設備の配置、給排水設備の構造など、細かい基準が設けられています。
特にコンカフェは内装にこだわるケースが多いため、デザイン優先で設計すると基準を満たさないことも。

工事前に基準を確認して設計に反映させることで、追加工事を防ぎ、申請から許可までをスムーズに進められます。

手洗い場・給排水・照明などのチェック項目

保健所の検査では、衛生設備に関する細かな項目がチェックされます。
中でも重要なのが、手洗い場・給排水・照明・換気設備の4点です。

手洗い場は厨房とホールの両方に設け、清潔に保てる構造であることが求められます。
また、排水が詰まりにくい設計、水漏れ防止の配管、十分な照度の照明、油煙を逃がす換気設備も必須です。

これらの項目を事前に確認しておけば、店舗検査での指摘を減らすことができます。
「検査に通るか不安」と感じる場合は、工事前に一度保健所で設備基準を確認しておくのが安心です。

開業前に図面を見せて相談するのが成功のコツ

開業準備を成功させる最大のポイントは、「工事前に図面を持って保健所へ相談すること」です。
完成後に修正を求められると、再工事やオープン延期につながるリスクが高まります。

図面を見せながら相談すれば、厨房や水回りの位置、動線の取り方などについて具体的なアドバイスを受けられます。
その結果、保健所の基準に沿った店舗づくりが可能になり、検査も一発で合格しやすくなります。

「相談はまだ早いかな」と思っても、設計段階で行動するのがベストです。
早めの確認こそが、スムーズな営業許可取得と予定どおりの開業につながります。

コンカフェ開業で「保健所以外」に必要な手続き

コンカフェの開業では、保健所の飲食店営業許可だけでは足りない場合があります。
接待行為の有無や営業時間、従業員の雇用状況によって、風俗営業許可や深夜営業の届出、消防・税務関係の手続きも必要です。

特に、開業後に「知らなかった」では済まされない届出も多く、事前に確認しておくことが大切です。
ここでは、保健所以外で必要となる主な手続きをわかりやすく解説します。

風俗営業1号の許可(接待行為がある場合)

接待行為を行うコンカフェでは、「風俗営業1号許可」が必要です。
この許可は、客の隣に座って談笑したり、飲み物を注いだりする行為がある場合に求められます。

許可を取らずに営業すると、営業停止や罰則を受ける可能性もあります。
まずは自店の営業スタイルが「接待行為」に該当するかを明確にし、必要なら警察署(生活安全課)で許可申請を行いましょう。

しっかり許可を得ておくことで、トラブルを防ぎ、安心して営業を続けることができます。

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深夜営業をする場合の「深夜酒類提供飲食店届出」

深夜(午前0時以降)にお酒を提供する場合は、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要です。
これは風俗営業とは異なり、接待行為がなくても深夜営業をするだけで対象になります。

届出は、営業開始の10日前までに所轄警察署へ提出します。
申請には図面や誓約書などの書類が必要なため、余裕をもって準備を進めましょう。

届出を正しく行うことで、深夜帯も安心して営業できる環境が整います。

消防署への防火対象物使用開始届

新たに店舗を使用する際には、消防署への「防火対象物使用開始届」も必要です。
これは、火災予防や避難経路などの安全対策が整っているかを確認するための手続きです。

提出期限は、使用開始の7日前まで。
図面の提出や消防設備の点検が求められる場合もあるため、内装工事が終わった段階で早めに対応しておくのが安心です。

安全対策を怠らずに届け出を行うことが、信頼される店舗運営の第一歩です。

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税務署・労働関係の届出も忘れずに

開業後は、税務署や労働関係の届出も欠かせません。
個人事業主なら「開業届」や「青色申告承認申請書」を、法人なら設立登記後の各種税務届出を行う必要があります。

また、スタッフを雇う場合は、労働保険や社会保険への加入手続きも必要です。
これらを怠ると、後で追徴課税や指導を受けることもあるため注意しましょう。

税務・労務の届出を正しく行うことで、安定した経営基盤を築くことができます。

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まとめ|保健所の手続きは早めの準備が開業成功のカギ

コンカフェ開業では、保健所での営業許可が最初の大きな関門です。
内装工事や設備の基準を満たしていないと許可が下りず、オープン時期が遅れてしまうケースもあります。
そのため、店舗の設計段階から保健所の基準を意識し、早めに相談・申請を進めることが成功のポイントです。

さらに、接待行為や深夜営業がある場合は、警察への届出や許可申請も欠かせません。
税務や消防関係の手続きも含めて全体を見渡すと、必要な準備は多岐にわたります。

こうした手続きを自分で進めるのが不安な方は、行政書士など専門家への相談がおすすめです。
専門家なら、保健所や警察署への手続きの流れを整理し、スムーズな開業をサポートしてくれます。
開業成功のカギは「早めの準備」と「正確な手続き」にあるといえるでしょう。

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