
「コンカフェを開業したいけれど、お酒を出したら“ガールズバー”になってしまうのでは…?」そんな不安を感じていませんか?接客スタイルや雰囲気はコンカフェでも、法的な扱いを誤ると別の業種としてみなされることがあります。
しかし安心してください。実は営業スタイルと許可の取り方を正しく理解すれば、コンカフェでもお酒を安全に提供することができるのです。
この記事を読めば、コンカフェとガールズバーの明確な違いがわかり、自分の理想のコンセプトを守りながら合法的に経営をスタートできます。
迷いを解消し、自分らしいコンカフェ開業の第一歩を踏み出しましょう。
コンカフェとガールズバーの違いを正しく理解しよう

「コンカフェ」と「ガールズバー」、どちらも女性が接客する飲食店として人気ですが、実際にその違いを明確に説明できる人は多くありません。
しかし、開業を検討している方にとっては、この違いを理解しておくことが非常に重要です。なぜなら、営業形態によって必要な許可や営業可能な時間帯が変わるためです。
ここでは、まず両者の定義や一般的なイメージの違い、そしてなぜ線引きがあいまいになりやすいのかをわかりやすく整理していきます。
「コンカフェ」と「ガールズバー」はどう違う?明確な定義はあるの?
「コンカフェ」と「ガールズバー」には法律上の明確な定義はありません。
ただし、一般的には営業スタイルや提供サービスの内容によって区別されることが多いです。
コンカフェは、特定の世界観やテーマを楽しむコンセプト重視の飲食店です。接客は軽めで、キャストとお客様が一定の距離を保ちながら会話を楽しむスタイルが基本。
一方、ガールズバーは「接客をメイン」としており、カウンター越しにお酒を提供しながら会話を楽しむコミュニケーション重視の業態です。
つまり、違いは「目的」と「雰囲気」にあり、法律上の区分というより運営方針で区別されていると理解しておきましょう。
一般的な印象の違い|昼のコンセプト重視か、夜の接客重視か
多くの人が抱くイメージとして、コンカフェは昼間に営業する「世界観を楽しむカフェ」、ガールズバーは夜に営業する「会話を楽しむバー」という違いがあります。
コンカフェではメイド喫茶やアニメ・ファンタジーなどのテーマが設定され、非日常を味わう空間づくりが重視されます。
一方、ガールズバーは照明を落とした落ち着いた雰囲気の中で、女性との会話やお酒をメインに楽しむスタイルが中心です。
このように、時間帯や演出の方向性が異なることで「昼=コンカフェ」「夜=ガールズバー」という印象が形成されていますが、実際には昼夜両方で営業する店舗もあり、必ずしもこの限りではありません。
実際の営業現場では線引きがあいまいな理由
現場では「コンカフェ」と「ガールズバー」の違いが非常にあいまいです。
営業内容が似通っており、スタッフの接客スタイルや営業時間によってどちらにも見えるケースが多いからです。
たとえば、コンカフェでも夜に営業しアルコールを提供すれば、外見上はガールズバーと変わらない印象を与えます。
また、コンセプトを重視する一方で、常連客との会話を売りにしている店舗もあり、両者の境界が自然と曖昧になっていくのです。
つまり、現場では「どのように見えるか」ではなく、「どのような営業許可を取得しているか」が実質的な区別になります。
この点を理解しておくことが、開業後のトラブル防止にもつながります。
コンカフェとガールズバーの主な違い一覧

コンカフェとガールズバーは、見た目や雰囲気が似ているようでいて、実際にはいくつもの違いがあります。
それぞれの特徴を正しく理解することで、自分の理想とする店舗を明確にイメージでき、必要な許可や設備準備もスムーズに進められます。
ここでは、コンセプト・営業時間・接客方法・料金システム・雰囲気・客層・必要な許可の7つの観点から、両者の違いを具体的に比較していきましょう。
| 項目 | コンカフェ | ガールズバー |
|---|---|---|
| コンセプトの有無 | あり(世界観を提供) | なし(接客を提供) |
| 接客方法 | テーマに合わせた会話が中心 | 雑談や日常会話が中心 |
| 料金システム | 商品を単体で注文 | チャージや飲み放題など |
| 雰囲気 | テーマに沿った世界観 | 大人っぽい落ち着いた空間 |
| 客層 | リピート型 | 一期一会型 |
| 必要な許可 | 風俗営業1号許可 | 風俗営業1号許可、深夜酒類提供飲食店営業届 |
【コンセプトの有無】
コンカフェの最大の特徴は「コンセプト=世界観」を提供している点です。
メイド喫茶やアニメ、アイドルなど、テーマに沿った衣装や内装で非日常空間を演出します。
一方、ガールズバーは特定のテーマよりもキャストとの会話や接客を主軸にしています。
つまり、コンカフェは「世界観を売る場所」、ガールズバーは「人との時間を売る場所」といえるでしょう。
この違いが、店舗の雰囲気や客層にも大きく影響します。
【接客方法】
接客スタイルの違いも、両者を見分ける大きなポイントです。
コンカフェでは、キャストとお客様の距離が一定に保たれ、あくまで「テーマの中での会話」を楽しむ傾向があります。
一方のガールズバーでは、キャストがカウンター越しにドリンクを作り、会話を中心に親しみのある接客を行います。
つまり、コンカフェは演出された接客、ガールズバーは人との交流が主軸といえるでしょう。
接客の度合いが違うだけで、店の印象や客層も大きく変わります。
【料金システム】
料金システムにも明確な違いがあります。
コンカフェはカフェスタイルのため、入店時のチャージ料を設けず、ドリンクやフードを単品で注文する形式が多いです。
対してガールズバーでは、時間制のチャージ料や飲み放題プランが一般的です。
さらに、キャストへのドリンク提供(ドリンクバック)制度があるのも特徴。
そのため、ガールズバーの方が「接客を楽しむための料金」が多く発生する傾向にあります。
【雰囲気】
コンカフェの魅力は、テーマに沿った内装や音楽など、空間全体で世界観を表現している点にあります。
照明、衣装、BGMまで統一された雰囲気づくりが特徴で、非日常を演出します。
ガールズバーは、より落ち着いたバーの雰囲気を重視。
ネオンライトや暗めの照明を使い、大人っぽい空間を作る店舗が多いです。
コンカフェは演出された明るさ、ガールズバーは夜のくつろぎを提供しているといえるでしょう。
【客層】
コンカフェの客層は、キャストやテーマのファンが中心で、固定客がつきやすいのが特徴です。
特定の世界観に共感し、キャストを応援するような「推し文化」が根付いています。
ガールズバーは、仕事帰りのビジネスマンや観光客など、会話やお酒を気軽に楽しみたい層が多く訪れます。
そのため、コンカフェはファンビジネス型、ガールズバーは一期一会型の客層と言えるでしょう。
これらの違いによりリピート率を高めるためのアプローチも異なります。
【必要な許可】
営業形態によって必要な許可も大きく変わります。
コンカフェは通常、飲食店営業許可にくわえて「風俗営業1号の許可」が必要です。
一方、ガールズバーでも接客を伴うため、営業形態によっては「風俗営業許可(接待飲食等営業)」を取得しなければなりません。また、接待がない場合でも深夜0時を超えてお酒を提供する場合には「深夜酒類提供飲食店営業届」の提出が必要です。
許可を誤ると無許可営業と判断され、罰則を受ける可能性もあります。開業時は必ず管轄の警察署や保健所に確認しておきましょう。
コンカフェでお酒を提供しても大丈夫?

「お酒を出したらガールズバーになってしまうのでは?」と心配する人は少なくありません。
しかし、実際にはお酒を提供すること自体が問題ではなく、どんな営業形態で提供するかが重要です。
ここでは、コンカフェでお酒を提供してもガールズバーとみなされない理由、必要な許可の種類、そして許可を誤った場合のリスクについて詳しく解説します。
お酒を出しても「ガールズバー」にはならない理由
コンカフェでお酒を出しても自動的にガールズバーになるわけではありません。
判断の基準となるのは「接待行為」の有無です。
風営法上の「接待」とは、お客様の隣に座る、過度に会話を盛り上げる、身体に触れるなどの行為を指します。
つまり、飲食物の提供時に最低限の会話するだけであれば、通常の飲食店として扱われます。
お酒を出すかどうかよりも、営業スタイルや接客内容が重要なポイントなのです。
コンカフェでお酒を提供する際に必要な許可とは
コンカフェでお酒を提供する場合、まず「飲食店営業許可」が基本となります。
これは保健所で取得するもので、フードやドリンクを販売するために必要です。
くわえて、深夜0時以降に営業する場合は「深夜酒類提供飲食店営業届」を警察署に提出する必要があります。
この届出を出せば、深夜でもアルコールを提供できますが、接待行為は一切禁止されます。
営業時間や接客内容によって必要な許可が異なるため、開業前にしっかり確認しておきましょう。
許可を誤ると無許可営業に…罰則やリスクを解説
もし必要な許可を取らずに営業してしまうと、無許可営業として「風営法違反」に問われる可能性があります。
その場合、営業停止や罰金、さらには懲役刑が科されることもあります。
特に、「飲食店営業許可だけで夜中に接待行為をしている」と見なされると、悪質な違反と判断されやすいです。
安全に営業を続けるためには、営業時間・接客内容・許可内容の3点を常に一致させることが重要です。
適切な許可を取得すれば、コンカフェでも安心してお酒を提供できます。
2025年風俗営業法改正による罰則の内容
無許可営業に対する罰則
・2年以下の拘禁刑 ⇒ 5年以下の拘禁刑
・200万円以下の罰金 ⇒ 1,000万円以下の罰金
・200万円以下の罰金 ⇒ 3億円以下の罰金 (法人への罰則)
開業前に押さえておきたい!コンカフェ経営の注意点

コンカフェを開業する際は、単に「かわいいお店をつくる」だけでは成功しません。
許可の種類を正しく理解し、法律に沿った営業を行うことが最優先です。
さらに、コンセプトの一貫性やスタッフ教育も、リピーターを生むための重要な要素になります。
ここでは、風俗営業許可と深夜酒類提供届の選び方、トラブルを防ぐための法的チェックポイント、そして経営の質を左右するコンセプト設計と教育体制について詳しく解説します。
風俗営業許可と深夜酒類提供届のどちらを取るべきか
コンカフェを開業するうえで最初に迷うのが「風俗営業許可」と「深夜酒類提供飲食店営業届」のどちらを取るべきかという点です。
接待行為を行うなら風俗営業許可、接待なしで深夜にお酒を提供するなら深夜酒類提供届を選ぶのが原則です。
たとえば、キャストが隣に座って会話したり、ドリンクを一緒に飲むような営業スタイルなら「接待」に該当します。
また、カウンター越しで接客を行う場合でも風営法上は「接待」に該当します。
自店のスタイルに合わせて、必要な許可を正しく選ぶことがトラブル防止の第一歩です。
開業時にトラブルを防ぐための法的チェックポイント
コンカフェの開業では、法的リスクを見落とすと営業停止や罰則につながる可能性があります。
まず確認すべきは、「営業時間」「接客スタイル」「取得している許可」の3点が一致しているかどうかです。
たとえば、深夜に営業するのに深夜酒類提供届を出していなかったり、接待行為をしているのに風俗営業許可を持っていないと、無許可営業とみなされます。
また、立地によっては風俗営業が禁止されている地域もあります。
開業前に管轄警察署や保健所で相談し、法的リスクをゼロに近づけることが大切です。
コンセプト作りとスタッフ教育の重要性
コンカフェ経営の成功を左右するのが「コンセプト」と「スタッフ教育」です。
どんな世界観を打ち出すか、そしてキャストがその世界観をどう表現するかで、お店の印象は大きく変わります。
コンセプトが曖昧だと、ガールズバーや一般カフェとの違いがぼやけてしまい、リピーターが定着しにくくなります。
また、スタッフへの教育を怠ると、接待とみなされるリスクやトラブルも増加します。
「コンセプトを守る」「法令を守る」この2つを徹底することで、安定した経営が実現できます。
まとめ|違いを理解して、安心して自分らしいコンカフェ
コンカフェとガールズバーの違いは、「営業スタイル」と「必要な許可」の2点にあります。コンカフェではキャストが衣装や接客スタイルで独自の世界観を演出し、店舗のコンセプトによってお客様の満足度が大きく左右されます。
一方で、お酒を提供する場合は「風俗営業許可」や「深夜酒類提供届」など、法律上の手続きを怠ると営業停止のリスクもあります。
そのため、開業前に必要な許可の種類を正確に理解し、店舗のコンセプトと営業時間に合わせた手続きを行うことが重要です。コンセプトを明確にし、法的リスクを避けることで“自分らしい安全なコンカフェ経営”が実現できます。
許可申請や法的チェックに不安がある方は、行政書士に相談することで安心して開業準備を進められるでしょう。プロのサポートを受けながら、理想のコンカフェをカタチにしていきましょう。
当事務所はどんなご相談でも丁寧にお話をおうかがいします。
初回無料となっておりますので、ささいなご相談でもお気軽にお問い合わせください。


