令和7年10月19日(日)特定行政書士法定研修の修了考査(試験)がありました。
私も考査を修了(合格)し、令和7年11月19日より特定行政書士となりました。
特定行政書士とは
特定行政書士とは、行政書士のなかでも法定研修を修了した者だけに与えられる資格です。
具体的には、行政機関に対する不服申立てをおこなうことができようになります。
不服申立てとは、市役所などの行政機関がおこなう処分や決定に対して、異議(不服)を申し立てることができる制度です。
一般的に、行政機関への不満や不服を法的に申し立てる方法としては「裁判」を思い浮かべるのではないでしょうか。
たしかに、裁判をおこなえば裁判官に確定的な判断をしてもらことができます。
しかし、裁判をおこなうには多額の費用がかかるうえ、判決がでるまでに長期的な期間が必要です。
一方で、不服申し立ての制度を利用すると、低額で迅速に違法性や不当性を判断してもらうことができます。
参考:総務省|行政不服審査法(行政管理局が所管する行政手続・行政不服申立てに関する法律等)|行政不服審査法の概要
特定行政書士の現状
特定行政書士の修了考査(試験)は毎年1回のみの実施です。
2015年に制度が始まってから、例年60~70%ほどの合格率となっており、年々修了者数も増加してきています。
| 実施年 | 申込者数 | 受検者数 | 修了(合格)者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2015(平成27)年 | 3,638 名 | 3,517 名 | 2,428 名 | 69.04 % |
| 2016(平成28)年 | 1,453 名 | 1,173 名 | 766 名 | 65.3 % |
| 2017(平成29)年 | 610 名 | 617 名 | 399 名 | 64.7 % |
| 2018(平成30)年 | 519 名 | 467 名 | 319 名 | 68.3 % |
| 2019(令和元)年 | 503 名 | 437 名 | 312 名 | 71.4 % |
| 2020(令和2)年 | 438 名 | 386 名 | 263 名 | 68.1 % |
| 2021(令和3)年 | 681 名 | 575 名 | 390 名 | 67.8 % |
| 2022(令和4)年 | 625 名 | 514 名 | 336 名 | 65.4 % |
| 2023(令和5)年 | 663 名 | 556 名 | 366 名 | 65.8 % |
| 2024(令和6)年 | 710 名 | 628 名 | 420 名 | 66.9 % |
| 2025(令和7)年 | 973 名 | 856 名 | 538 名 | 62.9 % |
現在、行政書士として登録している人数は54,166名となっており、特定行政書士の修了者は5,470名となっています。(令和7年11月15日現在)
難関といわれる行政書士試験を合格した人のなかでも、特定行政書士の資格を取得しているのは約1割程度です。
登録者数
行政書士:54,166人
特定行政書士:5,470人
沖縄県内の特定行政書士
沖縄県内で行政書士として登録されている人数は485名となっています。(令和7年11月15日現在)
そのうち、特定行政書士の修了者は61名で、約1.2割ほどの割合です。
沖縄県内には41の市町村があるため、1市町村に1~2人ほどの特定行政書士がいると考えられます。
私の事務所が所在する南城市では、現在、1名が特定行政書士として登録されており、私は2人目の特定行政書士となります。
沖縄県内での特定行政書士は各市町村でも数名しかいません。
特定行政書士をお探しの際には、ぜひ当事務所へお声掛けください。
まとめ
特定行政書士は、行政機関への不服を申し立てることができる資格です。
行政書士のなかでも1割ほどしか存在しないため希少な資格だと思われます。
また、行政書士は行政手続きの専門家です。
各種の申請手続きを代行することができますが、行政機関の判断によっては申請が認められない場合もあります。
その際、特定行政書士としての資格があれば不服を申し立てることが可能です。
申請代行から不服申立てまで、一連の手続きを1度に依頼できれば申請者の負担も軽減されます。
行政書士に手続きを依頼する際には、特定行政書士であるか否かを判断基準の1つとして検討してみるのはいかがでしょうか。